日本の鉄板焼き

単純なようですが日本料理として広く知られているそうです。

加熱の方法としてはすごくシンプルでどこでもやれそうな鉄板焼きですが、日本 以外ではレストランでお目にかかることはほとんどありません。 なので鉄板焼きは「SUSHI」や「RAMEEN」と同じように日本料理として認知されて いるらしいので不思議なものです。 広島風お好み焼きを日本のフードというのならわかりますが、調理方法にすぎない 「TEPPANYAKI」がそこまでメジャーになったのは実はエンターティナー性がそこに あったからではないかというのが一部で言われています。 お客さんのテーブルから見えない厨房の中で鉄板を使ってお料理したフードを、 スタッフがテーブルまで運んで提供するだけだったらここまで「TEPPANYAKI」が 知られなかったのではないかという意見があるのです。 カウンター越しに鉄板の上で調理する姿をお客さんに魅せる、それが好評だった のかいつしか行列のできるお店へとなったらしいのですが、確かにその通りかも しれないと納得せざるを得ません。 お寿司だって目の前で職人さんが握るのを見ているだけで楽しいですし、それだけ でお腹一杯の気分にもなれるので、やはりこうしたパフォーマンスをしてくれる レストランは話題になりやすいのでしょう。 アメリカなんかですとそれはなおさら理解できてしまいます。 派手なことが好き、エンターテイメントに目がない人種というのが我々から見た アメリカ人のイメージですし、シェフが目の前で焼いてくれたステーキを食べられる お店があったら流行らないわけがありません。 日本ではそう珍しい提供の仕方ではないことは、お寿司屋さんがあるので日本に 何年か暮らした経験のある人なら知っていることなのでしょうが、アメリカでは あまり一般的ではないスタイルだったのですね。 こうしてアメリカで人気の導火線に火がついた「TEPPANYAKI」は、世界中に広がり 何カ国かでオープンして現地民を歓喜の渦に飲み込んだのです。 おいしいことは当たり前で、そのうえ勇ましくお肉や海鮮類を鉄板の上で焼いて くれる姿を観賞できるのですから、初めて体験した人は注目して目をそらせず、 記念撮影をしたくなるに違いありません。 そしてツイッターに投稿したり、メールに画像を添付して幼馴染や親戚、近所の おばちゃんなどに一斉送信したい衝動に駆られるでしょう。 また海外に出店された鉄板焼きのお店だけが人気を博しているのではなく、日本 へ旅行にやってくる欧米人なんかも本場の鉄板焼きを堪能することを目的として いる方が大勢いらしゃるとのことです。 きっと空港へパスポートと旅行カバンを持って向かう前日の夜にも自宅のパソコン の前で、インターネットを駆使して有名なお店を検索していたのでしょう。 そして「おいら明日日本へ旅立つんだ、目的地は鉄板焼きのお店と忍者の故郷さ。 忍者は食べられないけど料理のほうはもちろん味わってくるつもり、帰国したら 自慢話を山ほど聞かせてあげるから楽しみにしててね」 と友達に告げて出国に備えるのでしょう。 旅行の醍醐味は現地のおいしいお料理に舌鼓を打つことですし、それに選ばれる ほど「TEPPANYAKI」は国外にも知れ渡っているのです。 ただ食べるではなくショーを観ているかのような雰囲気もあるので、観光名所に もなっているのが少し日本人には理解しがたいですが、それは身近にありすぎて 慣れてしまったから我々はそう思うのかもしれません。 初めてお好み焼き屋さんへ行って店員さんがテーブルの上で焼いてくれたもんじゃ を食べたときのことを思い出してみれば、ちょっとは観光へやってくる欧米人の 気持ちも分かるかもしれません。 忍者ほど爆発的な人気ではありませんが、日本で食事をするなら「TEPPANYAKI」 を希望する方は本当に多いのです。