出来立て料理と鉄板焼き

この調理法で提供されるお料理は出来立てで熱々です。

ステーキ

日本人にも好まれている鉄板焼きですが、何が嬉しいかと聞けばみんなが口を 揃えて「すぐそばで作りたてのものが出してもらえるんだよ、完成してから僅か 10秒足らずのご馳走が食べられるなんて素敵じゃん」と言うでしょう。 計測したことがないので本当に10秒なのか、5秒のお店や14秒のメニューも ありそうですがとにかく完成直後の出来立てホヤホヤ、湯気が立ち昇っている お料理を食べられるので猫舌のOLさんでなければ大喜びでしょう。 その過程をジッと観察出来ることも将来飲食店で働きたいと狙っている人なら 魅力的だと思いますし、全てが手の届きそうな範囲で展開するので本当にスリリング で例えようのないほどスピーディーなのです。 出来たてお料理に即座にお箸を伸ばせる、これは他の飲食店ではなかなか味わえない 体験で、オーダーから提供までが早くてなおかつ旨くてそれなりの歴史を持つような チェーン店ならいい勝負になりそうですが、メーニューの質が違うので同じように 評価をすることはちょっと難しいかもしれません。 普通のレストランだと厨房で出来上がった料理をフロア担当者にお願いしてお客 さんが待っているテーブルまで運びますが、広いお店ですと盛り付け完了から テーブル着までに1分以上もかかってしまいます。 ランチ時など混雑のピーク時には2分近く運ばれないことだってありますし、 これでは冷めてしまってとっても残念な感じがしてしまいます。 もともと熱を持たないもの、時間が経ってもあまり変化しない物ならいいですが ラーメンなんかだと2分も放置されたら麺がスープを吸って食感が全く違う物に 変化してしまいかねませんし、冷たいお蕎麦でも艶やかさが失われて味が落ちて しまうのは蕎麦通にとっては致命的でしょう。 サラダやお漬物、カレーパンなどなら調理完成→提供までの間隔が長くなっても さほど気にしませんが、そうではないメニューが巷には溢れています。 なので熱々の料理を食べられる鉄板焼きは、パフォーマンスを抜きにしても充分 質の高いサービスとして成り立つのでしょう。 ちなみに鉄板焼きのステーキなんかはヨダレが垂れそうなほどおいしそうですが、 同じお肉を網焼きするとステーキとは呼ばないそうです。 鉄板焼きでないのは理解できますがどうして同じ肉でもステーキですらなくなる のか、不思議に思われる方もいそうですが、ステーキとは鉄板で焼いてないと そう名乗ることができないらしいのです。 ほとんど同じ姿をしていてもメニュー名が変わるのでちょっとややこしいですね。 簡単にまとめますと、厨房の奥でお客さんの目に触れずに鉄板を使ってステーキ を調理するのがステーキハウス、レストランになり、カウンター越しに黒々とした 鉄板の上でお肉を焼いてくれる様を見られるのが鉄板焼きのお店、そして鉄板では なく網焼きでステーキ肉を焼くお店はグリル料理屋となります。 どれもおいしそうですが雰囲気が最も優れているのはどれか、あえて言う までもないことですから言ってしまいたい気持ちを抑えて我慢します。 網焼きのお店だって目の前で調理してすぐに食べられるのでそれなりに支持者は いらっしゃるようですが、どうしても2番手のポジションから先には進めない ようでちょっと不憫に思います。 多く扱う食材で優劣が付けられるのか、なかなか一番人気の座は奪えないようです。 ジュージューとおいしそうな音を発したり、煙が大量にモクモクと発生しない ことも鉄板焼きが国籍問わず愛されている理由なのかもしれません。 まあグリル料理のお店はそんなに多くありませんし、網焼きですので大きな肉塊に 火を通すのは苦手ということもあり海鮮や焼き鳥など限られたメニューになるのも 二番手に甘んじている理由なのでしょうか。 日本の鉄板焼きは世界的に有名ですが、網焼きはそうでもありませんしね。